小林陵侑 3季ぶり2度目の個人総合V 五輪金に続く偉業「どっちも取って、すごいシーズンに」
「ノルディックスキージャンプ・男子W杯」(27日、プラニツァ)
北京冬季五輪金メダリストの小林陵侑(25)=土屋ホーム=が8位となり、3季ぶり2度目のW杯個人総合優勝を決めた。2018~19年シーズンに欧州勢以外で初めて総合王者に輝いた小林陵は今季、W杯で8勝を重ねた。北京五輪の男子個人ノーマルヒル、年末年始恒例のジャンプ週間総合を制すなど大活躍の冬を、大きな勲章を加えて締めくくった。
雲一つない青空の下で、3季ぶりに奪還した最強の証明、クリスタルトロフィーを力強く掲げた。小林陵は「めっちゃ、よくやったと思う。(喜びと安堵(あんど)と)どっちも同じくらい。良かった」と、長いシーズンを戦い終えた解放感に浸った。
1回目にヒルサイズまで4・5メートルと迫り、右拳を握った。2回目は空中に飛び出した直後に珍しく体がぶれて飛距離を伸ばせなかったが、最終戦まで総合優勝を争ったガイガーと健闘をたたえるように抱き合った。
昨年11月に新型コロナウイルス検査で陽性になり、シーズン中は一度も帰国できない難しさもありながら今季8勝。初優勝から4シーズンで通算27勝を積み上げた。師匠の葛西紀明(土屋ホーム)は「シュリーレンツァウアーの全盛期より上」と評し、男子最多のW杯53勝を誇るオーストリアの名手を超える可能性にも期待する。
今季は北京冬季五輪個人ノーマルヒルでも優勝を果たした。「どっちも取っちゃって、すごいシーズンになった」。25歳のジャンパーは安定した強さで冬を駆け抜けた。