阿部詩が途中棄権、東京五輪後に両肩手術していた「期待裏切り申し訳ない」柔道全日本体重別
「柔道・全日本選抜体重別選手権」(2日、福岡国際センター)
世界選手権(10月、タシケント)代表選考会を兼ねて行われた。女子52キロ級準決勝で、東京五輪金メダルの阿部詩(21)=日体大=が棄権し、不戦敗。試合後の会見で、昨夏の東京五輪後、両肩の関節唇の修復手術を受けていたことを明かし「期待を裏切ってしまい申し訳ないが、(今後また)体を整えて100%の状態でまた試合できるようにしたい」と話した。
阿部は五輪前から両肩の関節唇を損傷して緩くなる、いわゆる「ルーズショルダー」の状態だったという。昨夏の五輪で優勝した後、9月に左肩、10月に右肩を相次いで手術。左肩は19年2月に負傷し、右肩も19年世界選手権後から違和感を抱えていたといい、「左は組むと(肩が)抜ける状態でずっとやっていた。五輪前も手術しないといけない状況だったが、時間が取れなくて五輪後に手術した」と明かした。
半年近いリハビリ期間を経て、再び柔道着に袖を通したのは今年2月。乱取りなどの本格的な柔道の練習を再開したのは3月に入ってからだった。3月半ばまでは今大会への出場も迷っていたというが、「パリ五輪への第一歩と思っていたので、欠場も頭にあったが、畳に上がることが自分のすべきこと」と決意。初戦は19歳の川田歩実(東海大)の積極的な攻めに苦戦したが、延長で一瞬の隙を突く隅落としで優勢勝ちした。
国内トップ選手8人が集うハイレベルな戦い。世界女王の志々目愛(了徳寺大職)も準決勝で敗退し、波乱の戦局となった。世界選手権代表はこの日行われる強化委員会で決まる。