高木菜那 現役引退「やっと高木菜那として戦えた」妹・美帆に感謝
18年平昌五輪女子スピードスケートの団体追い抜き、マススタートで日本女子初の2冠を達成した高木菜那(29)が5日、引退を発表し都内で会見した。「正直、悩んだが理由は2つ。第2の人生を考えた時にワクワクしたこと。思い描いたレースができたこと」と引退理由を語った。
最強の妹・美帆の姉として悩み苦しんだ競技人生。昨年12月の北京五輪選考会1500メートルで重圧に打ち勝ったことが決断への転機となった。スタートから積極的に攻め抜いて2位を死守し、五輪切符を奪取。「高木美帆の姉ではなく、やっと自分の意思で高木菜那として氷の上に立ち、戦えた」と達成感と充実感があふれた。
「妹がいなければここまで速くなれなかった。妹が妹で本当に良かった」と感謝も口にする。北京五輪で団体追い抜きの最終コーナーで転倒し、連覇を逃した時も「金メダル以上に価値のあるレースになったと思う」と声をかけられ救われた。
今後について「明確には決まっていないが、いろいろな角度からスポーツを学び、伝えていきたい。新しい世界でいろんなことに挑戦できたら」。菜那の第2の人生がスタートする。
◆高木菜那(たかぎ・なな)1992年7月2日、北海道出身。6歳でスケートを始め、札内中から帯広南商に進学。卒業後の11年4月から日本電産サンキョーに所属した。3大会連続で五輪出場。14年ソチ大会は1500メートル32位。団体追い抜きは4位だった。18年平昌大会では団体追い抜きとマススタートを制し、五輪同一大会で日本女子史上初の2冠に輝いた。北京大会では団体追い抜き銀メダル。155センチ。