飛び込み・玉井 パリ五輪“二刀流”へ「下準備はできている」板飛び込みでも大技挑む
昨夏の東京五輪男子高飛び込みで7位入賞した玉井陸斗(15)=JSS宝塚=が9日、兵庫県神戸市の須磨学園高等学校に入学した。入学式後に取材に応じ、本業の同種目だけでなく、板飛び込みでも大技に挑戦していることを明かした。
22年の目標に高飛び込み、板飛び込みの両方に挑戦する“二刀流”を掲げている。今回、明かした大技は207C(後ろ宙返り3回転半抱え型)。高飛び込みの10メートルではすでに同じ技を飛んでいるが、3メートル板飛び込みで挑戦するのは初めて。技の難しさを表す難易率は同種目の持ち技の中で最高の3・6。この技が成功すればかなりの高得点が期待できる。玉井も「難易率の高い技を精度高く演技をすれば勝つことができる」と先を見据えている。
207Cは東京五輪で表彰台に立った3選手全員が習得しており、五輪でメダルを獲得するための必須の技になりつつある。ただ、日本人選手の中で試合で飛んでいる選手は現在いない。玉井も「初めて飛んだのは(昨年)10月。完成度はまだまだ。試合に出せるほどではない」と苦戦している様子だ。
それでも「下準備はしっかりできている」と手応えを感じている部分もあるという。「インターハイで飛べれば」と全国高校総体(8月17~20日、高知県)で演技するプランを語った。
24年パリ五輪まであと2年半。「日本飛び込み界初のメダルを獲りたい」と意気込んだ玉井。世界の舞台での“二刀流”実現へ目が離せない。