プルシェンコ氏主催のアイスショー 露軍支持「Z」強調 参加選手が怒り「望んでない」
フィギュアスケート男子の06年トリノ五輪金メダリストのエフゲニー・プルシェンコ氏(39)が主催した、9日にロシア南部のトゥーラで開催されたアイスショー「ユニオン・オブ・チャンピオンズ」について、参加したスケーターから反発の声が上がった。同国スポーツ専門局の「マッチTV」などが伝えた。
同ショーはロシア軍のウクライナ侵攻の支持の象徴となっている「Z」の文字がチケットのロゴなどに全面に押し出されるなど政治的要素が強いものになっており、無料チケットで3000人が招待されたという。会場ではロシア軍の兵士に手紙を書くブースなどが設置された。ショーに参加した元世界女王のエリザベータ・トゥクタミシェワ(25)は自身のインスタグラムを更新し、モノクロの写真とともに「スポーツは政治の外にあると本当に信じたかったが、今日はそうではなかった。私はフィギュアスケートが大好きです。自分のしていることを心から愛しています。大会に出場したい、スケートをしたい、新しいプログラムを滑りたい、アイスショーに参加したい。しかし、私はアスリートのパフォーマンスが操作や説得の方法になることを望んでいません。途方に暮れています」と憤りを綴った。政治的要素が強いショーであることについては「誰も知らなかった。ごめんなさい」とした。ショーは定刻より40分遅れで開催されたが、一部のスケーターが抗議を行ったためという報道もある。
司会を務めたプルシェンコ氏の妻のヤナ・ルドコフスカヤは「私たちのショーは政治の外にある」と強調。「sports.ru」によると、選手たちへの競技団体からの制裁の可能性を指摘されると「私たちは何も関係ない。ショーしかなかった」と、話したという。
プルシェンコはこれまでロシアのウクライナ侵攻を受けての国際大会からのロシア選手の除外措置に反発。インスタグラムなどで「私は大統領を信じる」とプーチン大統領支持を表明している。