スケボー・草木ひなのが他界恩師に届ける大逆転V

「第1回マイナビスケートボード日本オープン」パーク女子決勝3回目で1位になり、喜ぶ草木ひなの(中央)=撮影・伊藤笙子
 「第1回マイナビスケートボード日本オープン」パーク女子決勝3回目で演技する草木ひなの(撮影・伊藤笙子)
 「第1回マイナビスケートボード日本オープン」パーク女子決勝3回目で演技する草木ひなの(撮影・伊藤笙子)
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 「スケートボード・マイナビ日本オープン」(10日、鵠沼海浜公園パーク)

 女子パーク決勝が行われ、草木ひなの(14)が53・53点で優勝した。昨年12月に開催された日本選手権に引き続き頂点に立った。東京五輪銀メダリストの開心那(13)は3位。同金メダリストの四十住さくら(ベンヌ)はエントリーしなかった。

 45秒の間に技を自由に繰り出すランを3本行い、一番高い点数で争う決勝。草木は1、2本目で転倒し最下位の8位に付けていた。「いつもは1本目でフルメイク(全て成功)する。焦ったし緊張して怖かった」と不安になってしまったが、「みんながいけるよと言ってくれた」と仲間の応援で奮起。「バックサイド540」などのトリックを成功させ大逆転。8選手の中で唯一の50点代をたたき出した。

 負けられない理由があった。競技を始めたときからお世話になった恩師が2月21日に他界。「山形の寒河江のパークとか遠出するときはいつもいた」と常に隣にいてくれた存在。日本選手権で優勝したときも泣いて喜んでくれたという。

 きょうは恩師が愛用していたTシャツを着て試合に臨み、力をもらった。「これからもかっこいいスケーターになっていくので空で見ていてください」とメッセージを送った草木。きょうの活躍は天国の恩師に届いたはずだ。

 国際大会派遣選手を選考する今大会と日本選手権で優勝した草木は、代表入りがグッと近づいた。さらにその先を見据え、24年パリ五輪へ向けて「いけたらいきたい。もしいけなくても他のところで頑張りたい」と力を込めた。

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