軍支持強調の波紋呼ぶアイスショーもプルシェンコ氏は成功強調「かっこよくパワフルだった」
フィギュアスケート男子の06年トリノ五輪金メダリストのエフゲニー・プルシェンコ氏(39)が主催したロシア南部のトゥーラで開催されたアイスショー「ユニオン・オブ・チャンピオンズ」について、政治色が強く参加したスケーターから反発の声が上がっている問題で、プルシェンコ氏は10日、自身のインスタグラムを更新し、自身の演技動画の投稿とともに「トゥーラ、サポートありがとう!」と開催地に感謝。「かっこよくて、パワフルだった」と、興業の成功を強調した。
同国のスポーツ専門局「マッチTV」などによると、同ショーはロシア軍のウクライナ侵攻の支持の象徴となっている「Z」の文字がチケットのロゴなどに全面に押し出されるなど政治的要素が強いものになっており、無料チケットで3000人が招待されたという。会場ではロシア軍の兵士に手紙を書くブースなどが設置された。ショーに参加した元世界女王のエリザベータ・トゥクタミシェワ(25)は自身のインスタグラムを更新し、モノクロの写真とともに「スポーツは政治の外にあると本当に信じたかったが、今日はそうではなかった。私はアスリートのパフォーマンスが操作や説得の方法になることを望んでいません。途方に暮れています」と憤りを綴った。政治的要素が強いショーであることについては「誰も知らなかった。ごめんなさい」とした。ショーは定刻より40分遅れで開催されたが、一部のスケーターが抗議を行ったためという報道もある。参加した選手たちへの競技団体からの制裁の可能性も指摘されている。
プルシェンコはこれまでロシアのウクライナ侵攻を受けての国際大会からのロシア選手の除外措置に反発。インスタグラムなどで「私は大統領を信じる」とプーチン大統領支持を表明している。