柔道 朝比奈沙羅は準決勝敗退、コロナ退院1週間ぶっつけ本番も“ガス欠”「ボロボロの状態」
「柔道・全日本女子選手権」(17日、横浜武道館)
体重無差別で争われた。21年世界女王の朝比奈沙羅(25)=ビッグツリー=は、準決勝で橋本朱未(コマツ)に11分6秒、指導3つによる反則負けで敗退。新型コロナウイルスに感染して入院し、退院後1週間で臨んだが、スタミナ切れで散った。
初戦は警戒していた泉真生(コマツ)を破ると、足達実佳(明治国際医療大学)、井上あかり(JR東日本)に続けて一本勝ちしてギアを上げた朝比奈。しかし、準決勝は橋本朱未(コマツ)に釣り手を下げられ、思うような組み手をつくれないまま延長に突入。長期戦で体力も尽き、攻め手を欠いて3つ目の指導を食らってしまった。
ブランクは明らかで、「退院して1週間でどこまで(コンディションを)つくれるかだったが、初戦からボロボロの状態で来てしまった。最後はスタミナの部分で負けちゃったのかな。技の威力は(入院期間で)廃れてなかったが、体力も含めて自分の実力かなと。最後はスタミナで負けてしまった。悔しい」と肩を落とした。
新型コロナウイルスに感染し、2日に行われた全日本選抜体重別選手権(福岡)は欠場。BMI値が高いため重症化のリスクを考慮して入院し、退院したのは今月7日。準備期間は1週間しかなく、「ぶっつけ本番感が強いが、自分の力を出すこと」と気合を入れていた。
獨協医大に通いながら、柔道でも24年パリ五輪を目指す“戦う医学部生”。最終選考会は4強で散ったことで、この日行われる強化委員会での世界選手権(10月、タシケント)代表入りは微妙な状況となったが、「あとは人事を尽くして天命を待つ。世界選手権に選んでもらったら、朝比奈を選んで良かったと思ってもらえるように、10月まで準備したい」と話した。