「柔道・全日本女子選手権」（１７日、横浜武道館）

　女子７８キロ超級の世界選手権（１０月、タシケント）代表最終選考会を兼ね、体重無差別で争われた。決勝は、２０２１年世界選手権同級２位の冨田若春（２５）＝コマツ＝が橋本朱未（コマツ）を相手の反則で下し、２大会ぶり２度目の優勝。世界選手権代表にも選ばれた。２１年世界女王の朝比奈沙羅（ビッグツリー）は準決勝で敗退。東京五輪５７キロ級銅メダルの芳田司（コマツ）は２勝を挙げて１６強に入り、同４８キロ級銀メダルの渡名喜風南（パーク２４）は初戦で敗れた。

　満身創痍（そうい）の冨田が“ど根性”で日本一と世界切符をもぎ取った。昨年両膝を手術し復帰したばかりだが、２日の全日本選抜体重別選手権決勝で右手甲を負傷し、じん帯損傷、けんしょう炎などを併発。大会までの２週間は本格的な練習ができず「結構ヤバい。本来なら出られない」というピンチだったが、痛み止めを打って強行出場した。

　釣り手が思うように使えない中、それを感じさせない安定した戦いぶりで実力を証明した。「どんな状況でも勝てたのは自信になった」。東京五輪金メダルの素根輝（パーク２４）が３月に左膝を手術した中、２番手として追撃態勢。「五輪では海外の選手が相手になるので、そこを目標とするなら世界選手権で勝ってアピールしたい」と力を込めた。