引退の寺本明日香が涙のラスト演技「体操がめちゃくちゃ大好き」 盟友・村上茉愛と抱き合う
「体操・全日本個人総合選手権」(21日、東京体育館)
女子予選が行われ、今大会での現役引退を表明している寺本明日香(26)=ミキハウス=が集大成の演技に臨み、38・565点の79位で終えた。
寺本は最初の床運動で、フィギュアスケートの羽生結弦も使用した「Origin」を熱演し、12・666点。続く跳馬は棄権したが、段違い平行棒で13・266を出すと、最後の平均台は12・633点。最後の演技を終えると涙し、観客から温かい拍手に包まれた。
寺本は、場内インタビューで「いろいろな思い出があったなって涙が一杯出てきちゃいました。めちゃくちゃ楽しかったです。私は本当に幸せです。体操やってきて良かった。体操がめちゃくちゃ大好きだなと思いました」と万感の思いを語った。
集大成の演技は、昨秋に現役引退し、東京五輪の種目別床運動で銅メダルを獲得し、現在は日体大のコーチを務める村上茉愛さんも見守った。盟友とは、演技後に抱き合っていた。
思い出の地で競技人生に別れを告げる。東京体育館は、11年に初の世界選手権に挑んだ場所。団体で7位、段違い平行棒で5位だった。寺本は「人生変わったぐらい思い入れのある東京体育館で最後の試合ができるのは、すごく私にとってはうれしいし、良かったと思える。すごくワクワクしている。悔いのないように最後締めくくりたい」と笑顔で話していた。
東京五輪の女子団体総合で5位入賞した畠田瞳(21)=セントラルスポーツ=も今大会での現役引退を表明している。
◆寺本明日香(てらもと・あすか) 1995年11月19日、愛知県小牧市出身。小学1年からレジックススポーツで体操を始め、小学6年で全日本ジュニアAクラスの個人総合で優勝。明経大市邨高進学後、11年に15歳で初めて世界選手権代表入りを果たすと、12年のロンドン五輪にも出場し、団体8位、個人総合11位。16年リオ五輪では団体4位、個人総合8位だった。京五輪は20年2月に左アキレス腱を断裂した影響もあり、21年の東京五輪の出場は逃した。全日本個人総合選手権は15年、19年に優勝。142センチ、37キロ。