柔道・大野将平 全日本選手権で真っ向勝負 3度目挑戦「最後だと思っている」
柔道男子73キロ級で五輪2連覇の大野将平(30)=旭化成=が21日、全日本選手権(29日、日本武道館)に向けた練習を奈良・天理大で公開した。体重無差別で日本一を争う大舞台が東京五輪以来の復帰戦となるが、「『柔よく剛を制す』という言葉は私の辞書にはなかった。真っ向から、大外刈りを打ち合いたい」と大胆予告した。
鈍いうめき声を上げながら、五輪王者が鋭い眼光を飛ばした。大野は自分より大きな相手と約1時間、実戦形式の乱取りを敢行。100キロ級の選手とガッチリ組み合い、大外刈りで投げ切る場面も披露した。「(重量級とは)素直にやりたくない」と笑いながらも、「恐怖心の中に少しだけ醍醐味(だいごみ)や楽しさが見えてくる」と胸を高鳴らせた。
昨夏の東京五輪で2連覇を達成し、体重別では敵なしを証明した。4月の全日本選抜体重別選手権は首や肩のけがで欠場。復帰戦がいきなり体重無差別となるが、「運命的なものを感じる」と感慨深げに語った。
初出場の14年大会は100キロ級選手から勝利を挙げて3回戦進出。17年大会は初戦で激闘を繰り広げたが、延長の末に一本負けで大の字になった。170センチ、73キロの大野にとって5年ぶり3度目で「(今回が)最後だと思っている」という挑戦。がっぷり四つの力勝負で生きざまを見せつける。