四十住さくら 初優勝 東京五輪女王の貫禄見せた 母の誕生日に金メダルプレゼント
「Xゲーム・千葉大会」(23日、ZOZOマリンスタジアム)
スケートボードのパーク女子決勝が行われ、東京五輪金メダルの四十住さくら(20)=ベンヌ=が初優勝した。2位には同五輪銀メダルの開心那(13)=WHYDAH GROUP、3位には手塚まみ(20)が入り、日本勢で表彰台を独占した。
勝負カラーの赤いTシャツに自身モデルの赤い板。さらに、ピンクに染めたロングヘアで異彩を放った金メダリストだが、誰よりも目立ったのはその滑りだ。四十住は決勝1本目からトップに立つと、2本目には大技540(1回転半)を成功させるなど安定感あふれる滑りで席巻。五輪に続くビッグタイトルをつかみ「(主要大会で)Xゲームだけ優勝がなかった。五輪と並ぶすごい大会で、金メダルを獲れてうれしい」と歓喜に浸った。
この日は母清美さんの57歳の誕生日。毎日の食事や、練習場への往復や遠征先への運転などでサポートしてくれている一番の応援者に勇姿を届けたかった。優勝インタビューでは「お母さんの誕生日に優勝できてうれしい」と第一声。表彰式後に「お誕生日おめでとう」と母の首にメダルを掛けた孝行娘は「(母は)抱きついてきて、めっちゃ喜んでいた」と相好を崩した。
日本勢だけでもレベルが高く、日進月歩で進化するスケボー界。四十住は五輪女王として注目度が上がってからも「自分では金メダリストだと思っていない」と向上心を絶やさなかった。五輪前はケガを案じて3~4時間に抑えていた練習は、リミットを解除した最近は11時間滑り続けていることもあるほどの“スケボー狂”。「パリ五輪に向けても、練習している技を全部出せるように」。五輪連覇を目指す24年へ快調に滑り出した。