堀米雄斗 大舞台制圧 初日本大会で魅せた「楽しさ伝えられたかな」
「Xゲーム・千葉大会」(24日、ZOZOマリンスタジアム)
スケートボードのストリート男子決勝が行われ、東京五輪金メダルの堀米雄斗(23)=ミクシィ=が、19年ミネアポリス大会以来2度目の優勝を果たした。2位には15歳の池田大暉、3位には東京五輪代表の白井空良(ムラサキスポーツ)が入り、日本勢が表彰台を独占。ストリート女子は東京五輪銅メダルの中山楓奈(ムラサキスポーツ)が初の銀メダルを獲得し、パーク男子は永原悠路(ALUT)が4位だった。
昨夏のヒーローが、日本初の大舞台を制圧した。堀米は予告通り、高難度の新技を投下。1本目は後ろ足から板ごと跳ね上がり半回転してレールに乗り、後輪の金具で滑り降りる大技を成功させてトップに立つと、2本目もルーティンを完遂。「五輪後初の大会で緊張もあったが、やりたいことができた。五輪は無観客でさびしかったが、色んな人が見てくれて、新しい技も決められて楽しさを伝えられたかな」。スタジアムを歓喜に包んだ。
観客や審判だけでなく“天の神様”をも納得させる圧巻の滑りだった。千葉市内はこの日、雨予報。雨が降った時点で打ち切りになるため、1本目でもミスをすれば命取りだ。「マジかと。(技を)外せないプレッシャーはあった」。ただ、ここ一番での集中力は五輪で証明済み。1本目から“ゴン攻め”をビッタビタに決め、3本目は中止となったが問題にしなかった。
会場にはスノーボード北京五輪金メダルの平野歩夢、キックボクシングの那須川天心の姿もあった。仲のいい“堀米軍団”の援軍にも応え「最高の仲間たちが応援に来てくれてめっちゃうれしかった」と頬を緩ませた。
Xゲームが日本にやってきたのも、スケートボード人気に火をつけた23歳の存在があってこそ。「もっと盛り上げて、もっとメジャーな競技にしたい」。パリ五輪で連覇も見据えるカリスマが、さらなる野心を燃やした。