初優勝の斉藤立 二十歳の美酒はレモンサワー?
「柔道・全日本選手権」(29日、日本武道館)
男子100キロ超級の世界選手権(10月、タシケント)代表最終選考会を兼ね、体重無差別で争われた。五輪2連覇の故斉藤仁氏の次男、斉藤立(たつる、20)=国士舘大=が、準決勝で東京五輪代表の原沢久喜(長府工産)を破ると、決勝は世界王者・影浦心(日本中央競馬会)に14分21秒、延長優勢勝ちで初制覇。1988年大会優勝者の父に並び、史上初の親子日本一となった。斉藤は世界代表にも初選出で、24年パリ五輪に向けて大きな一歩を踏み出した。
日本人離れした体格や一本勝ちを量産する柔道だけでなく、斉藤はキャラクターも規格外に面白い。巨体をつくる食事量について「最近は胃袋が小さくなってそんなに食べない」と明かしつつ、「腹が減ったときはご飯を3合くらい。高校の時は5合だったので」と平然と言ってのけた。
3月8日に二十歳の誕生日を迎え、成人でしたいことを聞かれると「飲みに行きたいっすね。グイッといきたい」と豪快に即答。「ビールはあれ(苦そう)なんで、レモンサワー飲みたいわ」と兄一郎さんに言ったところ、男らしくないといじられたという。お酒には弱そうと自己分析しつつも「(一般人とは体の)キャパが違うので、酔ってもつぶれないと思う」と付け加え、笑わせた。
大阪出身。中学からは東京暮らしだが、今でも関西弁でリップサービスは忘れない。パリ五輪に向けて試合成績はもちろん、親しみやすい“たつる語録”も楽しみだ。(デイリースポーツ・藤川資野)