“SASUKE”導入検討の近代五種、エンタメ化追求か 1時間実施も検討 英報道

 国際近代五種連合(UIPM)が2日の理事会で、2028年ロサンゼルス五輪から馬術を除外し、新種目の候補として障害物競走を試験的に導入すると発表したことについて、英高級紙「ガーディアン」は関係者の話として、今後同競技は「(007)ジェームズ・ボンドと、クリプトン・ファクター(米国のゲーム番組)が出会うような」エンターテイメント性の高いものになる可能性を4日、報じた。24年パリ五輪は従来通り、馬術と水泳、フェンシング、射撃、ランニングを合わせた5種目で行うが、28年ロサンゼルス五輪に向けて変更。6月にトルコで行われるW杯・ファイナル後から試行し、総会で正式に採用するか決定する。

 同紙によると、5種目を45分形式で行うことを検討しており、フェンシング、水泳、障害物競走、射撃、ランニングを最小限の休憩を挟みながら実施し、テレビ放送に「1時間枠」の仕様にすること、レース中のアスリートの心拍数の表示や、フェンシングの剣がぶつかり合う音の増幅などエンターテイメント性を追求する方向性などが検討されている。

 ロイター通信によると、障害物競走の候補として、日本のTBSの人気番組で、年末の風物詩となっている「SASUKE」のような「忍者競争」、また世界中で放送されている「アドベンチャーレース」など複数が挙げられているが、「ガーディアン」によると、UIPMのジョエル・プゾウ副会長は「障害物競走では、ジャンプしたり、ぶら下がったり、オプションを選択したりする瞬間がある。戦術的な要素がある」と、話したという。

 「忍者競走」は「SASUKE」から派生した米国版の「NINJA WARRIOR」など世界的にも広がりをみせており、同メディアによると10億人の視聴者がいるという。採用された場合、名物アトラクションの「そり立つ壁」などが五輪の舞台に設置されるか。注目が集まる。

 一方で選手側は馬術の除外に反発しており、英高級紙「ガーディアン」によると、男子の東京五輪金メダリストのジョゼフ・チューン(英国)らが、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長に書簡を送り、介入を求めている。選手団体の統計で95%以上の選手が国際連合の判断に不満を示しているという。

 近代五種は1912年のストックホルム五輪から採用され、フェンシング、競泳、射撃、ランニング、馬術で行われてきた。ただ、昨夏の東京五輪において、ドイツのコーチが馬に暴行する事件が発生した後、同連合は昨年11月に馬術の廃止を議論。当初はクロスカントリー自転車が代替競技として採用されるとみられていたが、トライアスロンとの軋轢を引き起こしかねないとの懸念から障害物競走が第1候補に挙がっていた。

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