杭州アジア大会の延期が決定 池江、大野ら出場予定 パリ五輪選考に影響も

 アジア・オリンピック評議会(OCA)は6日、タシケントで理事会を開き、新型コロナウイルス感染症の影響で、9月に中国・杭州で開催予定だった第19回アジア競技大会の延期を決めたと発表した。来年に開催する方向で調整し、具体的な日程は作業部会を設置して検討する。日本は競泳や卓球などトップ選手の派遣を予定していた競技もあり、2024年パリ五輪に向けた強化計画にも影響が出そうだ。

 昨夏の東京五輪に続き、「アジア版オリンピック」とも称されるアジア大会の延期が決まった。中国は感染封じ込めを目指す「ゼロコロナ」政策を敷き、2~3月に北京五輪・パラリンピックの開催を実現したが、3月以降、感染者が急増。上海ではロックダウン(都市封鎖)が続き、感染が拡大した北京も対策を強化している。

 アジア大会は4年に1度の開催で、杭州大会は40競技を実施。1万人以上の選手が参加予定だった。OCAは延期の判断について「パンデミック(世界的大流行)の状況と、大会の規模を慎重に考慮した」と説明した。

 日本は、各競技でパリ五輪に向けた強化プランの見直しを迫られそうだ。延期決定を受け、日本オリンピック委員会(JOC)は「まずはOCAからの情報収集に努め、国内競技団体とも情報共有を進めたい」とコメントした。

 競泳では、完全復活を目指す池江璃花子(ルネサンス)が追加でアジア大会代表入りを決めたばかり。今年の世界選手権(6月、ブダペスト)の代表を逃しただけに、久々の海外での国際大会の場となるはずだった。

 卓球は選考会を勝ち抜いた張本智和(IMG)、早田ひな(日本生命)ら男女各2人がシングルス代表に決まっており、アジア大会での試合成績がパリ五輪代表選考ポイントに加算されることになっていた。また、柔道は東京五輪金メダリストの大野将平(旭化成)、ウルフ・アロン(了徳寺大職)、素根輝(パーク24)らが出場予定。アジア大会延期によって、パリ五輪代表選考に大きな影響を及ぼす可能性もある。

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