カメラクルーによる事故 陸連とNHK謝罪「あってはならない」コード掛かった選手首に痛み

 日本陸連とNHKは8日、前日に国立競技場で行われた日本選手権1万メートル男子で、テレビカメラクルーがトラックのコース上に出て、カメラコードに周回遅れの選手が引っ掛かり、走路を妨害したことについて謝罪した。

 レースは世界選手権(7月、米オレゴン州)の代表選考会を兼ねて行われ、優勝した相沢晃ら上位選手のゴール後、レースが終わっていないにも関わらず、撮影しようとした中継のテレビカメラクルーがトラックの内側からコース上に出てきてしまい、周回遅れだった三田真司(サンベルクス)の首付近の上半身にコードが引っ掛かり、バランスを崩した。選手はその後、走り続けたが、危険なシーンだった。

 日本陸連の状況説明によると、カメラクルーは中継局のNHKのもので、三田ら4人が走路変更を強いられたという。対応した石井事務局次長は「(三田の所属する)サンベルクスにはお詫び申し上げた」とし、「このような事態はあってはならない。主催者として心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。

 NHKの辻村和人報道局スポーツセンター長もこの日、事情説明と謝罪に訪れ、取材対応。「走路を妨げないという基本的なことが守られていなかった。深くお詫び申し上げます」と、頭を下げた。走路を妨害したのはカメラマンとアンテナを持つスタッフの2人。長さ数メートルのケーブルで繋がっており、このケーブルが選手に引っ掛かった。委託の外部プロダクションのカメラマンで、陸上撮影の経験もあったという。NHKは現在、経緯について調査を行っている。

 三田は寮に戻った後、首に痛みを訴えて病院で検査。異常はなかったというが、今も痛みがあり、静養しているという。

 同シーンは当初、日本陸連のツイッターが投稿した動画にも映っていたが、その後削除された。サンベルクス陸上競技部は昨日のレース後、ツイッターを更新。「日本選手権のレース中、報道の方のカメラコードが三田選手の走路に出てきました。多くの方からご心配のご連絡を頂いております。ありがとうございます。選手を守るため再発防止を訴えるとともに、救急で検査に来ています。今後に影響ない事を祈るだけです」と説明していた。

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