満身創痍も五輪王者・橋本大輝が2連覇 鉄棒でまさかの2度落下「不甲斐ない」
「体操・NHK杯」(15日、東京体育館)
男子決勝が行われ、東京五輪2冠王者で、すでに世界選手権(10、11月、英リバプール)に内定している橋本大輝(20)=順大=が、4月の全日本選手権2日間との合計得点で257・793点で2連覇を飾った。2位には神本雄也(27)=コナミスポーツ、3位には土井陵輔(20)=日体大=が入り、世界選手権代表に決定した。
調整を合わせきれず、「膝以外の関節が全部痛い」と満身創痍の状態で臨んだ橋本だったが、我慢の演技の中で、最後は冷や汗をかく形となったが、それでも頂点は譲らなかった。最初の種目の床で13点台、続くあん馬では落花もあったが、苦手とするつり輪で14点台をマークすると、跳馬ではしっかり着地をまとめ、14・900点のハイスコアをマーク。平行棒もまとめると、最終種目鉄棒直前の練習で離れ技リューキンを行った際に、腹部から落下し強打。その後、痛そうに腰をさすった。
本番ではリューキンを抜いた構成で挑み、カッシーナ、コールマンなどは成功。ただ、終盤の離れ技コスミックでまさかの2度落下。五輪種目別で金メダルを獲った鉄棒の得点は12・600点に止まったが、リードを生かしてしのぎ切った。
橋本は試合後の場内インタビューで「今日はとても不甲斐ない試合。悔しい。無事連覇を達成することができて、うれしく思っています。本当に調整不足でキツい試合だったんですけど、6種目やりきることができました。怪我なく1つ1つの技を丁寧に積み上げていこうと思っていた。(鉄棒は)予定していた演技構成ができず、リズムが狂ってしまったかと思う。本当に気付きが多い試合だった。このコンディションで戦うのが難しかったが、それでもやりきれたのが今後の経験になる」と、悔しさを噛みしめながら、前を向いた。