ロコ・ソラーレが2年ぶりV 藤沢が女子最多7度目の日本一「私たちらしい試合」笑顔満開の女王奪還劇

 第4エンド、2点を取って3-1とし笑顔を見せるロコ・ソラーレの左からスキップ藤沢、鈴木、吉田夕、吉田知(代表撮影)
 第4エンド、ショットを放つロコ・ソラーレの藤沢(中央)=代表撮影
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 「カーリング・日本選手権」(29日、アドヴィックス常呂カーリングホール)

 女子決勝が行われ、北京五輪銀メダルチーム、ロコ・ソラーレが今季の世界選手権代表の中部電力を7-3で下し、2年ぶり3度目の優勝を飾った。

 第1エンド、第2エンドと互いに有利な後攻で1点ずつを取り合う、静かな立ち上がりとなったが、第4エンド、最終投でスキップの藤沢五月が相手の石を少し押して2点を獲得。先に主導権を握った。第6エンドは相手のスキップ北沢の直前のミスにつけ込む形で2点を獲得。優位な展開で終盤に突入し、第9エンドに1点をスチールし、中部電力が負けを認めるコンシードをした。勝敗が決まると、中部電力のメンバーも含めて輪になって健闘を称え合った。

 試合後、フィフスの石崎琴美の瞳には涙も滲んだ。中部電力時代も合わせて女子最多タイとなる7度目の日本一となったスキップの藤沢は「最後に私たちらしい試合ができたのがうれしい。五輪の決勝の舞台で悔しい思いをして、グランドスラムではプレーオフで残念な結果だった。そこで出た1つ1つの課題をクリアして臨んだ日本選手権の舞台で、集中して生かしきれた」と、晴れ晴れとした表情で語った。五輪もあり、異例の5月開催となった大会。長期に渡ったシーズンについて「いや、ちょっと長いだろって思ったこともあった」と笑いながら、「こうやって大好きなカーリングができる感謝の気持ちを込めて戦った」と、明かした。

 メダリストの重圧に苦しんだ18年平昌五輪後とは違う、カーリングを楽しみながら、そしてメダリストとしての貫禄を漂わせるロコの姿があった。男子のコンサドーレのスキップとして3連覇を経験している松村雄太(現TM軽井沢)をコーチとして迎え、新たな刺激を入れた。そして、今大会掲げたテーマは「must have fun(絶対に楽しめ)」。吉田知那美の元気のいい声が響き、吉田夕梨花、鈴木夕湖の“クレイジースイーパーズ”は力強く氷を掃いた。藤沢はドローショットに苦しんだ部分はあったが、最後は仲間を信じ、投げ切った。終わってみれば、1次リーグも含めて、わずか1敗。地元常呂で圧倒的なチーム力をみせつけ、女王の座を奪還した。

 サードの吉田知は「本当に平昌五輪も合わせると、8年間、私たちはこのアイスを中心に練習して世界で戦ってきた。いつもよりゴージャスでコンディションも違うけど、感謝の気持ちでいっぱい」と、語った。

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