埼玉・坂手淳史主将「23年W杯でベスト8突破する力になると信じています」【独占手記】
「ラグビー・リーグワン・プレーオフ決勝、埼玉18-12東京SG」(29日、国立競技場)
埼玉(レギュラーシーズン2位)が東京SG(同1位)を18-12で破り、新リーグ初代王者に輝いた。トップリーグ(TL)時代から“2連覇”で単独最多6度目の優勝。先制を許したが2トライを奪い、激戦を制した。ノートライに抑える堅い守備も光った。新型コロナウイルスの影響で開幕から2試合不戦敗の逆境から16連勝と圧倒的な強さで締めた。主将のフッカー坂手淳史(28)は「優勝を誇りに思います」と手記を寄せた。
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最後の1秒までどちらに転ぶか分からなかったです。その中で優勝を手にすることができて誇りに思います。今季は新型コロナの陽性者が出たことで開幕2試合が不戦敗となり不安はありました。
正直、自分たちはコロナを身近に感じていませんでした。そこで多くの陽性者がチームに出て痛いほど分かりました。『もう一つも落とせない』。チームで共有したその気持ちが自分たちのラグビーの基準をさらに高め、結果的に全勝につながりました。
全体では試合中止が多かったです。SNSでは批判の声が直接届きました。悲しかったのは『ファンが離れちゃうよ』という言葉。それはさみしかった。ファンのためとなるアクションを素早く取らないといけなかった。ラグビー界がステップアップするための課題です。来季は満員でゲームをやりたいです。
今季のような逆境でこそ大学時代の恩師、岩出監督(昨季限りで帝京大監督を退任)の言葉を思い出します。『チームが苦しい時こそリーダーが前に出なさい』。大学選手権7連覇目を達成した4年時に主将をやらせてもらい学びました。
リーグワンになってレベルは上がってきています。それが日本代表の選手層の厚さにつながり、23年W杯でベスト8を突破する力になると信じています。(19年W杯日本代表、代表通算27キャップ・坂手淳史)
◇坂手淳史(さかて・あつし)1993年6月21日、京都府出身。中学からラグビーを始める。京都成章時代は高校日本代表にも選出された。帝京大では大学選手権4~7連覇に貢献。4年時には主将を務めた。16年に埼玉(旧パナソニック)入り。同年4月の韓国戦で代表デビュー。19年W杯日本大会では日本代表として出場し初の8強入りに貢献。180センチ、104キロ。