フィギュア年齢制限引き上げ決定 ISU総会で可決 ミラノ五輪は17歳に 島田麻央は出場不可に
国際スケート連盟(ISU)は7日、タイ・プーケットで開催している総会で、フィギュアスケートの五輪や世界選手権など参加の年齢制限について、次回26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪までに現在の15歳から段階的に17歳まで引き上げる案を可決した。
総会ではロシアフィギュアスケート連盟の代表であるセルゲイ・スピリドフから「フィギュアの選手寿命を延ばすことは非常に重要であるが、女子のシングル選手が五輪で勝利を収めるとすぐに(競技を去る)という説は真実ではない。いくつかの例外を除いてすべての分野で五輪後に辞める選手がいる。なぜか?それは商業的な問題で、選手は競技会よりもショーで稼ぐ場合が多い。彼らをスポーツにとどまらせるには経済的なモチベーションが必要で、年齢制限を引き上げることで、問題は解決しない」と反対意見を述べたが、その後の投票では100票が賛成、反対が16票で、賛成多数で可決された。
来季22-23年シーズンはシーズンが始まる7月1日時点で15歳に達しているという従来の条件を維持。23-24年シーズンは16歳、24-25年は17歳へと引き上げる。日本女子で4回転ジャンプを成功させたことで注目される島田麻央(13)=木下アカデミー=は五輪シーズン開始の25年7月1日時点で16歳のため26年五輪は出場できなくなった。
今年2月の北京五輪フィギュア女子で、15歳のカミラ・ワリエワ(ロシア)にドーピング問題が浮上。世界反ドーピング機関(WADA)の規定で16歳未満の「要保護者」に該当するため、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が出場継続を容認したことが物議を醸した。
ISUによると、選手の肉体的、精神的負担を考慮。20年12月、21年1月に実施したISU選手委員会の調査で回答者の86・2パーセントが支持したと発表していた。