高木美帆 現役続行を正式表明 デビットコーチと二人三脚 「まだ続けたいな」
2月の北京五輪スピードスケート女子で1000メートルの金メダルを含む、計4つのメダルを獲得した高木美帆(28)=日体大職=が16日、都内で記者会見を行い、現役続行を正式表明した。今後はナショナルチーム(NT)を離れ、ヨハン・デビットコーチと二人三脚で歩む方針。26年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪への出場意思は明言しなかった。
28歳が新たな“門出”を迎える。高木は「今年からナショナルチームではなく、個別でヨハンと活動していくことを決めました」と発表。4月に現役続行を表明してから「北京五輪という大きな目標が終わったことで、一歩外に出てもいいのかな」と8年間在籍したNTから“卒業”への思いが強くなった。
最も信頼する師と新チームを結成。「最後に出てきた気持ちがヨハンと一緒に滑りたいな、まだ続けたいなという気持ちでした」と決断理由を明かした。
オランダ人のヨハン・デビット氏は今年4月まで約7年間日本代表のナショナルコーチを務めた敏腕コーチ。オンラインで会見に参加し、高木について「私にとっても重要で特別な存在」と強調した。「最後のストロークを滑りきるまでずっとコーチでいたいと思う」と、高木の現役引退まで二人三脚で支え続けていく。
今後は日本とオランダを行き来して練習を行う。デビットコーチは「長期的には世界で一番強いチームを作りたい」とも話した。
高木の北京五輪のメダルは1000メートルで金、500メートル、1500メートル、団体追い抜きで銀。平昌の3つと合わせ計7つの五輪メダルは夏季を含めても日本女子単独最多だ。4年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪でさらなる更新に期待がかかるが「ミラノよりも、今スケートを続けたい気持ちを大切にしたい」と出場意思を明言しなかった。
それでも「1年1年積み上げていくことが大事になると考えていて、その先にミラノがある」とも思い描いた。新境地に滑り出した女王が新たな可能性を探る。
◆高木美帆(たかぎ・みほ)1994年5月22日、北海道出身。北海道・札内中3年の時に10年バンクーバー五輪に出場。帯広南商から日体大へ進んだ。姉・菜那さん(29)とともに五輪の団体追い抜きに出場し、18年平昌で金、22年北京五輪で銀を獲得した。164センチ。