杉原愛子 笑顔と涙の“ラストダンス”「観客を1番魅了できた」悔いなく第2の人生へ

 女子床運動の演技を終え、涙をふく杉原愛子
 女子床運動の演技を終え手を振る杉原愛子
 女子床運動の演技を終え、涙を流す杉原愛子
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 「体操・全日本種目別選手権」(19日、東京体育館)

 世界選手権(10月開幕、英リバプール)代表最終選考会を兼ねて、男子6種目、女子4種目の決勝が行われた。女子のリオデジャネイロ、東京五輪代表で、今大会限りで現役生活に区切りをつける杉原愛子(22)=武庫川女大=が床運動で、13・466点をマークし、2位で“ラストダンス”を終えた。

 演技が終わるまで、笑顔を貫き続けた。「今大会の男女の中で観客を1番魅了したのは私だっていうぐらいだったと思うので、そこを目標にしていたからこそ、できたからすごい嬉しかった」-。

 予選1位通過で、“体操女子の華”である床、女子競技の大トリで登場。赤のレオタードで挑んだ杉原は、スパイ映画「007」のテーマとともに、冒頭のターンから鋭い技を繰り出していった。自然と巻き起こった観客の手拍子にのって、こだわりのダンスでも魅了し、最後の着地もしっかり決めた。「結果は求めずに、観客の皆さんがライブのように、私に引き込まれる演技がしたかった。体操の魅力を伝えたかった」。フィニッシュポーズを解くと、ホッとした様な笑顔を浮かべ、拍手に応えた。結果を見届けた後、大野コーチから感謝の言葉を伝えられると、こらえていた涙が溢れた。

 今後は指導者など、体操関係の道を模索していく。「トレーニングは続けながら、エキシビションなどを通じて、体操の魅力を伝えていけたら。(指導の)国際免許も取りたいし、勉強も続けていきたい」。門出を祝うかのような拍手に包まれながら、胸を張って第2の人生へ踏み出した。

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