体操・谷川兄弟2人で世界切符 兄・航「実現できてすごいうれしい」
「体操・全日本種目別選手権」(19日、東京体育館)
世界選手権(10月~11月、英リバプール)の選考会を兼ねて決勝が行われ、男子は谷川航(25)、谷川翔(23)=ともにセントラルスポーツ=がチーム貢献度で代表に選ばれた。5月のNHK杯終了時で男女各3人の代表が決定しており、この日で男女各5人の全代表が決定。女子は全員が初代表となった。
最後までもつれた戦いを制し、谷川兄弟は涙して抱き合った。兄の航は「兄弟で(代表に)入りたい気持ちが強かった。実現できてすごいうれしい」と喜びをかみ締め、弟の翔も「本当にホッとしている」と胸をなで下ろした。
2大会ぶりの兄弟での世界切符はギリギリだった。選考においてリードしていた航に対し、翔は当落線上にいた。一騎打ちとなった杉野正尭(徳洲会)の鉄棒の結果を「本当に無の状態」で待っていたが、杉野にミスが出たことで翔の代表入りが決まった。
翔から「兄気質」と評される航は、弟の演技を「今日一番疲れた」というほど心配していた。試合後には周囲の応援に責任を感じて涙するほどで、それを見て翔もまた涙。本当に仲良しの兄弟だ。
昨夏の東京五輪では航だけが代表に入ったが、今年は翔が再び代表に戻ってきた。世界選手権では「団体優勝に貢献できるようにひたすら練習したい」と翔。航も「金メダルを獲りたい」と意気込んだ。再び道を同じくした兄弟が、世界の舞台でも躍動する。