渡部暁斗「複合にしか出せない魅力とは?」女子の五輪採用見送りに存在意義を問う
国際オリンピック委員会(IOC)は24日、理事会を開催し、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪でノルディックスキー複合女子の採用を見送った。男子で3大会連続メダリストの渡部暁斗(北野建設)は自身のツイッターを更新。「非常に残念」などと心境をつづった一方で「複合にしか出せない魅力とは?」と、競技者としてあらためて競技の存在意義を投げかけた。
渡部暁は「複合女子の採用見送りは非常に残念です。いつか女子選手の夢が叶うことを願い、複合女子の更なる発展を応援していきたいと思います」とツイッターを更新。その1時間20分後に「体感レベルですが、複合が1番盛り上がっていたのは2010年前後だと思います。優勝争いができる選手が各国に分散していて、全体的なレベルが高かった。競技除外の可能性がある中で、男女共に複合の存在意義をしっかり提示していく必要があると改めて考えさせられました」と記した。
さらに「ジャンプ、クロスカントリー、それぞれのスペシャリスト達の素晴らしいパフォーマンスが観られる中で、どちらにも及ばない複合にしか出せない魅力とは?」と問題提起。渡部暁はこれまで除外報道に対し「競技の面白さで決めて欲しいと思いますし、複合女子は数年前から大会規模を少しずつ拡大して、レベルも上がってきています。オリンピック競技として採用してもらえればジェンダー問題はクリアになるはず」と訴えていた。
スキージャンプとクロスカントリーの複合で競う同競技は第1回冬季五輪の1924年シャモニー大会から実施。勝者は「キング・オブ・スキー」と称されてきた。日本は荻原健司を擁した92、94年五輪で団体金メダルを獲得。近年では渡部暁が3大会連続で個人メダルを獲得している。