阿部一二三 貫禄V「パリ五輪まで勝ち続けたい」
「柔道・グランドスラム(GS)ハンガリー大会」(8日、ブダペスト)
男女計5階級が行われ、男子66キロ級で東京五輪金メダルの阿部一二三(24)、女子48キロ級で同五輪2位の渡名喜風南(26)=ともにパーク24、女子57キロ級の舟久保遥香(23)=三井住友海上=が優勝した。阿部はウズベキスタン選手との決勝は合わせ技で一本勝ちした。
約1年ぶりの国際大会を圧倒的な強さで制した。阿部は5試合中4試合を技による一本勝ち。持ち前の攻撃力を発揮し、表彰台の中央で君が代に浸った。「五輪王者らしい闘いをしたい」との気迫がみなぎる優勝だった。
序盤の2試合は大技の袖釣り込み腰や大外刈りで相手を一蹴。準々決勝以降はまともに組もうとしない相手に接近戦で圧力をかけ、技をつないで指導を引き出すなど柔軟な対応力が際立った。
決勝は2分過ぎに小内刈りで技ありを奪い、さらに強引に出てきた相手を片手だけの豪快な袖釣り込み腰で畳にたたきつけて決着。「(2年後の)パリ五輪まで勝ち続けたい」。24歳の五輪覇者は強い決意を胸に、一層高まる存在感を示した。