競歩・山西利和 日本初の連覇でメダル1号!池田向希も銀で世陸日本勢初ワンツー

 男子20キロ競歩で優勝し、他国の選手に担がれる山西利和(世界陸上の写真は全て代表撮影)
 先頭でリードする山西利和
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 「陸上・世界選手権」(15日、ユージン)

 開幕し、男子20キロ競歩で昨年の東京五輪3位の山西利和(26)=愛知製鋼=が1時間19分7秒で2019年大会に続いて優勝した。日本選手の2連覇は男女を通じて初めてで、今大会の金メダル第1号となった。個人種目の連続メダルは01年、03年の男子ハンマー投げの室伏広治以来。東京五輪銀メダルの池田向希(旭化成)が7秒差の2位で、日本勢が初めて同一種目の1、2位を占めた。

 もう負けるわけにはいかなかった。山西はゴールテープ手前から力強く何度も拳を握った。優勝候補筆頭と目されながら、3位にとどまった東京五輪の悔しさを晴らす世界一。「東京までの自分のストーリーと、そこからは全然違う。まだ新しく紡いでいる途中だけど楽しめている」と振り返る顔は充実感に満ちていた。

 昨夏と違い、リスクを負うことをためらわなかった。「段階的に集団を絞っていく」と序盤から何度も前に出て、ライバルを徐々に脱落させた。ラスト1キロは五輪で突き放された池田との一騎打ち。「自分の余裕度を確認しながら思い切っていった」と残り約800メートルからスパートを決めて振り切った。

 五輪のレース後の夜は結果を受け止められない自分がいた。「一番大きな大会で優勝を逃し、どう処理したらいいのか分からなかった」。食堂に行くタイミングすら逸し、スタッフに買ってきてもらったおにぎりとみそ汁で夕食を済ませ、高校時代の同級生らと電話で一晩中語り合った。

 昨年9月に再始動。冬場は長い距離を歩く練習を増やし、股関節周りを意識したフォームに取り組むなど細部にこだわった。今回のペース変動への対応にもつながり「去年より1段階上がっている」と手応えを確認した。

 「まだまだ途上。道が続く限り、しばらくは歩めたらいい」と言う。その先に2年後のパリ五輪の頂点がある。

 ◆山西 利和(やまにし・としかず)1996年2月15日生まれ。京都府長岡京市出身。堀川高1年で競歩を始め、13年世界ユース選手権1万メートルで優勝。京大工学部に現役合格。17年ユニバーシアード20キロ、19年世界選手権でともに優勝。東京五輪3位。大学の卒論は「部分空間同定法を用いた信号の周波数推定」。18年に愛知製鋼へ入社。20キロの自己ベストは1時間17分15秒。164センチ、54キロ。

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