元横綱2代目若乃花が死去 69歳、肺がん 切れ味鋭い上手投げ、甘いマスクで人気
大相撲の第56代横綱2代目若乃花の下山勝則(しもやま・かつのり)さんが16日午後6時47分、肺がんのため死去した。日本相撲協会が18日に発表した。69歳だった。青森県出身。近年は大阪市内で生活し、同市の病院で亡くなった。葬儀・告別式は家族葬で営まれる。現役時代は優勝4度で、引退後は間垣部屋を興した。横綱照ノ富士の入門当時の師匠だった。
後に横綱となる隆の里(故人)と同じ夜行列車で青森から上京。元横綱初代若乃花が師匠の二子山部屋に入門し、1968年名古屋場所で初土俵を踏んだ。柔らかい体で、切れ味鋭い右上手投げを得意とし、甘いマスクで絶大な人気を博した。
78年夏場所後の横綱昇進と同時に、しこ名を若三杉から師匠の若乃花に改名。同時代に横綱だった北の湖や輪島らと熱戦を繰り広げたが、昇進後はけがや病気に悩まされた。29歳の83年初場所限りで引退した。
引退後は間垣親方として独立し、五城楼や若ノ城ら幕内力士を育てた。98年から協会理事を約10年間務めたが、2007年3月に脳内出血で倒れた。自身の弟子に対する暴行問題や、弟子でロシア出身の幕内若ノ鵬の大麻問題など騒動も続き、13年12月に体調不良で相撲協会を退職した。
10年2月の協会理事選挙で、貴乃花親方(元横綱)が二所ノ関一門の意に反して出馬し当選した際、行動を共にしたことも話題になった。