羽生結弦なぜこのタイミング? “らしさ”言葉にも表れ “異例”のプロ転向
フィギュアスケート男子で、2014年ソチ、18年平昌両五輪王者の羽生結弦(27)=ANA=が19日、都内で会見し、「これから競技会に出るつもりはないです」「理想とするフィギュアスケートは、競技会じゃなくてもできる」と競技の第一線から退く意向を表明した。
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スケート界において、新たな1年が始まる“始業式”は7月1日だ。同日、日本スケート連盟の公式ホームページが更新され、強化選手の中には羽生の名前があった。
北京五輪後「フィールドは問わない」と、進退を明言していなかったが、新シーズンの本格的な幕開けも迫る。出演したアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」も6月末で全公演終了。近いうちにグランプリ(GP)シリーズなど国際大会の出場選手も発表される予定だ。
世界中から注目を集める羽生だけに、国際大会のエントリーがないとなれば、さまざまな臆測を呼ぶことは確実。その前に自身の言葉で自身の決断について説明したいという思いが、このタイミングでの会見に至らせたのだろう。
ただ、これほどまでに向上心むき出しのプロ転向は異例といえる。「さらにうまくなっていける期待とわくわく感がある」との言葉はもちろん、何度も「アスリート」という言葉を使ったのも羽生なりの決意の表れだろう。
会見で羽生は「常に挑戦し続けることは、これからも続けたい」と言った。さらに輝きを増すために、あえて競技の場から離れる。前人未到の挑戦を続けてきた羽生らしい決断にも感じた。(フィギュアスケート担当・國島紗希)