フェンシングの世界選手権（エジプト・カイロ）で、女子サーブルで日本勢史上初の金メダルを獲得した江村美咲（２３）＝立飛ホールディングス＝が２７日、都内で優勝報告会を行った。

　全種目を通じても、男子フルーレの太田雄貴以来、日本勢２人目となる世界制覇の快挙に「まさかこんなに早く自分が世界選手権で優勝できる日がくるとは。正直自分でも驚いている。自分にとって（少し前まで）ただ眺めているだけの舞台だと思っていたので、すごいことをしちゃったなと。金メダルを獲ったという実感はあるが、どれだけすごいことをやったのかという実感はまだ湧いてない」と夢見心地の様子。優勝した直後はうれし泣きしたが、「決勝に上がることは二度とないのではと思って後悔のないようにぶつかって、勝つことができた。驚きとうれしさと恐怖から解放された安心感から涙が出てきました」と振り返った。

　所属の立飛ホールディングスからは褒賞金３００万円が贈られ、江村は「うれしいですし、やっぱりモチベーションになります」と声を弾ませた。

　今年５月にＷ杯で初優勝した際には褒賞金１００万円が送られたが、さらなる快進撃での世界制覇とあって、同社の村山正道社長は「（世界選手権の）タイトルの重さというか、（今回は）２００万円という話もあったが、私は偶数が嫌いなので３００万円にしました」と豪気に笑った。さらに、「まだまだこれから（先の大会）もあるので、少しでも励みになればいい。（江村の）目標はパリ五輪ですから、また結果を出したら“奇数”で対応したい」と太っ腹に予告した。

　五輪では男子フルーレ、男子エペの日本代表がメダルを獲って歴史を塗り替えてきたが、女子サーブルでは前人未到。江村は「まだ五輪では『女子初』『サーブル初』が残っているので、自分が（その称号を）取っていきたい。今の最終目標は五輪の金メダルなので、それが具体的に近づいてきて、本当にワクワクしている」と力を込めた。