羽生結弦さん プロの第一歩 4回転組み込んだ“平昌五輪版”「SEIMEI」完遂

 公開練習で「SEIMEI」を披露した羽生結弦さん(撮影・堀内翔)
 公開練習を終えてスマートフォンをチェックする
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 フィギュアスケート男子の2014年ソチ、18年平昌両五輪金メダリストで、プロ転向を表明した羽生結弦さん(27)が10日、スケートを始めた原点である仙台市のアイスリンク仙台で「SharePractice」と題した公開練習を行った。陸上でのウオーミングアップを行った後、氷上で約1時間、プロとしての初滑りを披露。練習の様子はYouTubeで生配信された。試合で見せたことのない高難度の連続ジャンプを着氷したほか、平昌五輪で予定していたジャンプ構成で「SEIMEI」を完遂した。取材は人数制限がある中、38社88人が詰めかけた。

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 放たれる張り詰めた緊張感は、試合さながら。羽生さんは真剣なまなざしで、肩甲骨や筋肉1つ1つの感覚を研ぎ澄ましていった。氷上に降りると、氷の感覚を確かめ、スイッチオン。リンクサイドに姿を見せてから氷を降りるまで約2時間。故郷・仙台でプロとして歩み始めた羽生さんの濃密な“ショータイム”が繰り広げられた。

 黒の練習着と白のジャージー姿だが、華やかさは健在。「ホープ&レガシー」では4回転ループ-3回転トーループという、試合で挑まなかった高難度の連続ジャンプを披露した。「SEIMEI」の曲かけでは2種4本の4回転を組み込んだ“平昌五輪版”に挑戦。1度目は演技後半の4回転サルコーが乱れ、2度目は次の4回転トーループが両足着氷に。3度目で全てのジャンプを降り、その世界観を表現した。

 陸上でのアップに始まり、ジャンプも表現も妥協はなし。羽生さんにしかなし得ない「プロ」の姿を詰め込んだ公開練習。「平昌五輪と同じ構成のSEIMEIをノーミスすることが今回の目標。あの時よりもうまいと証明したいみたいな、自分の中で強い意思があった。あれから成長しているところを見せたかったのが一番強かった」と充実の笑みが光った。

 ライブ配信は平日昼間としては異例の10万人以上が視聴。配信の最後には、ファンからリクエストを募り「ホワイトレジェンド」のステップを披露するシーンもあった。

 プロ転向表明から3週間。「自分のアスリートらしさ。根本的にある、さらに追求し続ける姿みたいなものを見ていただく機会になれば」と練習公開を計画した。あえて「SharePractice」と名付けたのは「共有し、一緒に戦っていける」「戦い抜く姿を見てほしい」との思いからだったという。

 今後についてはまだ「内緒」というが「新しいショーの形も、これからの自分自身の瞬発力的なレベルの高さも、期待していただけたらうれしいです」。希望にあふれた表情は、プロとして歩みを始めた喜びに満ちていた。

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