五輪銀の渡名喜風南 5年ぶり世界一へ決勝での“空回り”反省「勝ちたい欲強すぎた」
柔道女子48キロ級で東京五輪銀メダルの渡名喜風南(27)=パーク24=が12日、都内で取材に応じた。代表に選ばれている世界選手権(10月・タシケント)に向けて「2017年に優勝して、そこからずっと(18、19年大会)決勝で負けているので、今年はちゃんと優勝できるように頑張りたい」と意気込みを語った。
パリ五輪に向けて、決勝での戦い方に課題を見定めた。初出場の17年世界選手権は金メダルを獲ったものの、18、19年大会はいずれも決勝でビロディド(ウクライナ)に敗れて準優勝。さらに、昨夏の東京五輪でも準決勝までは順調に突破したものの、決勝でクラスニキ(コソボ)に一本負けを喫し、金メダルにあと一歩届かなかった。
決勝が一つの鬼門となっているように見えるが、自身は五輪後に「決勝では勝ちたい欲が強すぎて、一人で柔道しちゃっている」と空回りの要因を自己分析。過去の反省を生かし、今年4月の全日本選抜体重別選手権からは「決勝戦だけど、1回戦のような気持ちで畳に上がった」と、つとめて冷静に戦うことを意識して優勝につなげたという。
鋭い足技や、立ち技からの際から確実に仕留める寝技の威力は折り紙付き。10月はパリ五輪に向けても重要な一戦となるが、「(王座)奪還というより、(毎回)決勝までいって負けているので、あと一つ何かが自分に足りない。(ライバルだった)ビロディド選手も(階級転向で)いないというのもあるし、新たな感じで優勝したい」と心機一転のタイトルを狙う。