石川佳純 いきなり伊藤美誠戦で苦杯もパリ代表争いへ焦りなし「始まったばかり」
「卓球・Tリーグ・ノジマカップ」(13日、トッケイセキュリティ平塚総合体育館)
24年パリ五輪代表選考ポイント対象大会として開催された。女子シングルス2回戦で、ともに東京五輪団体銀メダルの伊藤美誠(21)=スターツ=と石川佳純(29)=全農=が対戦。伊藤が4-2で制し、準々決勝に進出した。
序盤でいきなり豪華カードが実現した。1回戦を突破した石川は、早くも第1シードの伊藤と対戦。第1ゲームを先取したものの、互いに手の内を知っているだけあってラリーになる展開が増え、徐々に伊藤にペースを握られた。「ミスが出たり、返球が甘くなって狙われた。厳しいコースに返されてしまった」。2-2で迎えた第5ゲームの9-9の場面は勝負所だったが、レシーブを決められず失点。流れをつかむことができず「(伊藤の)サーブ単体ではなく、その後のスマッシュのプレッシャーがあって、レシーブに力が入ったかな」と悔やんだ。
パリ五輪代表レースは、日本協会が国内選考会を中心に独自に設定した国内ポイントランキングで争われる方針となっている。石川は3月のライオンカップ・トップ32での6位に続き、今大会も16強で姿を消したが、過去3大会の過酷な代表争いを経験しているだけに「こういうレースは長くて、まだまだ始まったばかり。いくらリードしようが、負けていようが、最後は(競って)同じくらいになると思うので」と泰然自若。自身はパリ五輪挑戦を明言しているわけではないものの、「私自身はあまり点数は考えずにやっている。でも世界選手権には出たい」と現時点での心境を明かした。
今後も国内選手同士のトーナメントが繰り返される以上、シード順が大きくカギを握る。今大会はTリーグ初の個人戦として行われ、昨季Tリーグの個人勝利数などをもとにシード権が割り振られたが、ノーシードの石川は第1シードのブロックに潜り込む形となってしまい、「これから頑張るしかない。シードの選手に勝って自力で(シードを)獲得しないと」と反省。9月には次の代表選考会である全農カップ・トップ32(福岡)が控えており、「次が(23年)世界選手権の最後の予選になると思うので、1戦1戦全力で頑張りたいと思います」と前を向いた。