レスリング藤波朱理“55キロ級”でも完勝Vで103連勝 世界V2予行OK「必ず優勝する」
「レスリング・全日本学生選手権」(16日、駒沢体育館)
女子53キロ級世界女王の藤波朱理(18)=日体大=は55キロ級に出場し、3試合全て無失点のフォール勝ちで初優勝した。中学2年から続く自身の連勝記録は「103」に更新。53キロ級で2連覇が懸かる9月の世界選手権(ベオグラード)前最後の実戦で好感触をつかみ、「細かいところ(課題)を修正していきたい。(大会まで)1カ月を切っているので、調整して必ず優勝します」と誓った。
パリ五輪期待のホープは「世界選手権を見据えて、パワーのある55キロ級に出て自分の実力を試そう」と初挑戦したが、本来より1階級上の相手とのフィジカル差をものともせず圧倒的な強さを示した。「やってみた感じ(53キロ級に比べて)ちょっと力強さがあると思ったが、そこまで感じなかった」
1回戦はグラウンドでのアンクルホールド(相手の足首を固めて回転する技)でポイントを重ね、わずか45秒でテクニカルフォール勝ちすると、準々決勝は3分12秒で相手を攻略。4月のアジア選手権で同級を制している今井佑海(日大)との決勝は、得意のタックルにはなかなか入れなかったものの、相手のタックルに対する電光石火のカウンターからグラウンドに持ち込み、しっかり抑え込んでフォール勝ちしてみせた。「うまくカウンターが決まった。なかなか自分からポイントを取りに行く展開はつくれなかったが、それも予想していた。(プレッシャーを掛けて)相手にタックルを入らせるというレスリングをできた」と、自身から攻め込むだけではない勝ち方に手応えを示した。
6月の明治杯で自身の連勝記録を「100」とし、206連勝(団体戦除く)の吉田沙保里、189連勝(不戦敗除く)の伊調馨に続く史上3人目の大台を突破した18歳。この日、さらに3つ伸ばして103連勝としたが、自身は「過去のこと」と強いこだわりはない。「身近にいる(日体大コーチの)伊調さんがもっとすごい連勝記録を持っているので。自分はまだまだ」と言い聞かせていた。