戸上隼輔 “闘魂”燃やし張本撃破「ストロングスタイルで」猪木に感銘 卓球選考会V
「卓球・全農カップ・トップ32」(4日、アクシオン福岡)
パリ五輪代表選考会の第2回大会として行われた。男子決勝は、全日本王者の戸上隼輔(21)=明大=が、東京五輪代表の張本智和(19)=IMG=を4-1で下し、選考会初制覇。ここまで選考会では振るわず出遅れていたが、一気に4番手に浮上した。
闘魂を燃やして日本のエースを撃破した。戸上は0-1と先取された第2ゲーム。5-10とゲームポイントを握られてから、怒濤(どとう)の6連続ポイントで追い上げ、13-11で逆転した。力強く声を出しながら完全に自分のペースをつかむと、そこから気迫全開の攻撃で4ゲーム連続で取り返し、一気に頂点に上りつめた。
「素直にうれしいです。(選考レースでは)なかなか結果が出なくて悔しかったが、今日は挑戦者の気持ちでやったのがよかった。勝てると思っていなかったが、自信になった」
素顔はプロレス好きの大学生。特に新日本プロレスの棚橋弘至ファンで“卓球界の100年に1人の逸材”を自負しているが、ノアや海外団体にもアンテナを張っているという。また、最近はアントニオ猪木や藤波辰爾など、過去のレジェンドたちの試合映像もチェック。「猪木さんや藤波さんの時のプロレスがかっこよすぎて、会場(の雰囲気)も今と違う。昔のプロレスに感銘を受けています」と明かし、「今大会はストロングスタイルで臨もうかと(周囲に)話していました」と笑いながら明かした。
エース張本は年下だが、「自分の可能性を広げてくれる存在」と目標とする相手でもある。「水谷(隼)さんがアントニオ猪木さん(パイオニア)で、張本選手がオカダ・カズチカ選手(エース)なら、僕はヤングライオン(若手)かもしれないですね」と謙遜。全日本制覇後は苦しい時期が続いていたが、パリ五輪代表争いでも反撃を開始し「来年からどの大会でも優勝したい」と力を込めた。