やり投げ・北口榛花 日本勢史上最高3位も「残念。やっぱり1番がいい」
「陸上・ダイヤモンドリーグ・ファイナル」(9日、チューリヒ)
世界最高峰シリーズの年間上位者で争うファイナルが行われ、女子やり投げで7月の世界選手権銅メダルの北口榛花(24)=JAL=が63メートル56で、ダイヤモンドリーグ・ファイナルの日本勢史上最高となる3位に入った。
同じ3位という快挙でも、北口の捉え方はもう違う。女子やり投げで日本勢初の表彰台に立った世界選手権の歓喜から約1カ月半。最高峰の争いで再び日本陸上界に新たな歴史を刻んだが「残念な気持ちの方が強い。やっぱり世界の舞台でも1番がいい」と、頂点にこだわる姿勢を強調した。
助走スピードの調整に苦戦し、思うように飛距離を伸ばせない。投げる角度も修正しながら逆転を狙った最終6投目。ウィンガーの記録には1メートル以上届かない63メートル56で「もうちょっと飛ばせると思っていた。一発が出なくてもどかしい気持ちで終わった」と悔やんだ。
ただ、この心持ちこそ成長の表れだ。世界選手権後、ファイナルまでのDL3戦は優勝と2度の2位で「世界でも勝ちたいと思って臨めるようになった」。来年8月の世界選手権、2024年パリ五輪へ弾みがつくシーズンを過ごし「世界のトップクラスに少し仲間入りできた」と実感する24歳の日本記録保持者。金メダルとの距離感も、着実に縮まってきた。