フェンシング ストリーツ海飛が3年ぶり3度目Vへ王手「素晴らしい勝負になる」
「フェンシング・全日本選手権」(10日、駒沢体育館)
男子サーブル個人の準決勝までが行われた。昨夏の東京五輪代表のストリーツ海飛(鹿児島ク)が、吉田多聞(法大)を下し、3年ぶり3度目の優勝に王手をかけた。同代表の吉田健人(警視庁)は白井寛夢(警視庁)を15-13で退け、連覇まであと1勝とした。決勝は11月5日にLINE CUBE SHIBUYAで行われる。
ストリーツは予選プールを5戦全勝で抜けると、決勝トーナメントでは競り合う場面もあったが、慌てることなく勝ち切った。「決勝に行くのが目的。とてもうれしい」とうなずいた。
日本人の母と米国人の父を持ち、横浜市で生まれた。7歳で家族と一緒に渡米し、8歳からフェンシングを始め、日米の大会で結果を残してきた。現役生活は20年目。ここにきてさらなる成長を実感している。「メンタルのところがどんどん伸びている。相手が勝っているときも冷静に、リラックスできる」。フェンサーとしてさらに洗練され、「これからがピーク。28、29、30歳、パリ(五輪)まで。まだ引退したらもったいない。世界ランキングも高くできる」と自信をのぞかせた。
昨夏の東京五輪で結果を残せなかったこと、無観客開催だったことが一番の心残り。「メダルが獲れなくて、家族友達も来られなかったので悔しい。その悔しさを覚えて、次のパリ五輪までメダルを目的に、家族、友達の前でいいパフォーマンスを出したい」と、30歳で迎える夢舞台への覚悟を口にした。
まずは3年ぶりの日本一奪還を目指す。決勝は昨年の準決勝で敗れた吉田と対戦する。「練習とかでいい勝負しているので、決勝も素晴らしい勝負になると思う」と胸を躍らせた。