飛び込み・世界選手権代表の須山がV 悲願の五輪出場へ決意「絶対パリに行く」
「栃木国体・飛び込み」(14日、日環アリーナ栃木)
成年男子板飛び込みが行われ、世界選手権代表の須山晴貴(栃木・栃木県スポーツ協会)が451・80点で制した。2位には荒木宥図(新潟)、3位には昨夏の東京五輪代表の伊藤洸輝(滋賀)が入った。
須山は島根で幼少期から競技に打ち込んでいたが、大学卒業を機に栃木に練習拠点を変更。栃木県代表として出場した“初国体”で優勝を飾り「この(大会の)ためにずっと準備してきた。ほっとしたというのが一番」と安どの表情を見せた。
1、2本目を終えてトップに立ったが「緊張に飲まれすぎていた」と、手応え以上に点数は伸ばせなかった。気持ちを切り替えるために演技前のルーティンを変更。待機時間に行うウオーミングアップや、イメージトレーニングを開始する時間を変えるなど、細かい修正を行ったという。
迎えた3本目の407C(後ろ踏み切り前宙返り3回転半抱え型)では「流れを変えることができた」と、81・60の高得点をマーク。そのまま波に乗り、最後まで逃げ切った。
昨夏の東京五輪出場を逃した後は、悔しさをバネに成長。6月に行われた世界選手権(ブダペスト)では決勝進出を果たした。
今シーズンはこれで一区切りとなり、強化期間に入る。「日本では体は大きい方だが、世界で見るとまだまだ。1からの体作りを根本から変えていく。トレーニング方法をガラッと変えて体を作っていきたい」と先を見据えた。
ジュニア世代から数々の全国大会で優勝し、国際舞台での活躍を期待されていた大器。ただ度重なる両膝のケガに悩まされ、五輪出場の夢はまだ果たせていない。来夏には福岡で世界選手権が開催され、24年パリ五輪への戦いが本格化する。「もう絶対パリに行くという思い。この半年間しっかり体を仕上げて、(来年4~5月に開催予定の)選考会、福岡の世界水泳に向けて頑張っていきたい」。さらなる成長を遂げ、悲願の夢舞台の切符をつかみ取る。