飛び込み・金戸快が準V「非常に悔しい気持ちが大きい」
「栃木国体・飛び込み」(15日、日環アリーナ栃木)
成年男子高飛び込みが行われ、世界ユニバーシティー大会代表の金戸快(東京・日大)が439・70点で2位に輝いた。昨夏の東京五輪代表の西田玲雄(大阪)が1位、世界選手権代表の須山晴貴(栃木・栃木県スポーツ協会)が3位だった。
金戸は1本目の626C(逆立ち後ろ宙返り3回転半抱え型)で、この日全体最高得点となる84・15点をマーク。その後も安定した演技で70点台の演技を見せて自己ベストを更新。ただ本人は「優勝を目標にしてきた。非常に悔しい気持ちが大きいです」と唇をかんだ。
試合前日の朝に、ぎっくり腰となり十分な調整は詰めなかった。ただその中でチームメートや、コーチである恵太氏に「歯を食いしばってやるしかない」とエールを送られ、奮起。最後まで戦い抜いた。
祖父母、両親が五輪に出場し、妹・凜(東京・日大)も6月の世界選手権で銀メダルを獲得した飛び込み一家。長男の快は「妹が勝てばうれしい。でも自分も勝ちたい気持ちは強い。兄弟はしっかり切り離して考えている」と、飛び込みに打ち込む一人の選手として、競技と向き合っている。
代表入りしていた世界ユニバーシティー大会(中国)は延期となってしまったものの、今季を通して国内トップクラスの実力を証明した金戸。同種目には圧倒的な強さを誇る玉井陸斗(JSS宝塚)が君臨するが、「まだクオリティーも内容も試合で発揮する力はない。今の時点で差が出るのはしょうがない。でも生涯をかけて倒したいと思っている」と力強く語った。
来夏には福岡で世界選手権が開催され、2年後の夢舞台へ向けた戦いが本格化する。来年4~5月に開催が予定されている日本代表選考会を見据え、「焦らずに自分の悪いところを直して、改善できるところを改善する。それが結果的に世界水泳、パリオリンピックにつながっていくと思う。そこを目指して頑張っていきたい」と静かに闘志を燃やした。