引退のフェデラー 品行方正、愛された“芝の王者” 生涯収入は10億ドル(1435億円)超え
テニス男子で四大大会通算20勝を誇るロジャー・フェデラー(41)=スイス=が15日、自身のSNSを更新し、現役を引退することを発表した。ロンドンで23~25日に開かれるレーバー・カップを最後の大会となる。
ツイッターに掲載した文面では「ツアーが私に与えてくれたことすべてが恋しいので、これはほろ苦い決断です。でも同時に祝うべきこともたくさんあります。地球上で最も幸運な人の1人だと考えています。私はテニスをする特別な才能を与えられ、想像もしていなかったレベルで可能だと思っていたよりもはるかに長くテニスをしました」と、長きに渡る自身の戦いに胸を張った。
かつては気性の荒い面ものぞかせたこともあったが、生き馬の目を抜く勝負の世界において、伝説的に長期に渡りトップに君臨し続けてきたにも関わらず、スキャンダルとは無縁。コートの上では熱い戦いを披露する一方で、その品行方正ぶりは多くのアスリートにとって、見本だった。
スポンサーからも愛され、アスリートの年収ランキングでは常に上位に入り、米フォーブス誌によると、2021年に生涯収入が10億ドル(約1435億円)を超えたという。
41歳のフェデラーは、全豪オープン6勝、全仏オープン1勝、ウインブルドン8勝、全米オープン5勝の四大大会計20勝をマーク。特に芝で行われるウインブルドンでは無類の強さを誇り、“芝の王者”の異名をとった。五輪では北京五輪で金メダルを獲得。ツアーではシングルス103勝、ダブルス8勝で計111勝をマーク。ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アンディ・マリー(英国)と“ビッグ4”を形成し、スター選手として長年活躍した。近年は膝の故障に苦しみ、昨年のウィンブルドン選手権を最後に大会出場から遠ざかっていた。