玉鷲 最年長V王手 〝2発〟で翔猿吹っ飛ばした 八角理事長「切れている」
「大相撲秋場所・14日目」(24日、両国国技館)
玉鷲がいざ千秋楽決戦へ最高潮だ。くせ者の翔猿にも迷いがない。頭でかまし、のど輪の一撃で突き放し、トドメはもろ手。たった2発、1秒8で土俵外に吹っ飛ばした。
単独トップ12勝目。支度部屋では追走する2人の結果を静かに待った。北勝富士は敗れたが高安は勝利。優勝が千秋楽に持ち越しとなったことを見届けると、珍しく取材対応はなく会場を後にした。
2019年初場所以来2度目の賜杯、昭和以降では12年夏場所の旭天鵬(37歳8カ月)を上回る37歳10カ月での最年長Vへ、あと1勝だ。八角理事長は「最高の相撲。切れている。やっぱり経験があるだけに違う。力を出せる精神状態にもっていく」と、終盤の充実ぶりに目を見張った。
千秋楽は3敗を守った高安と直接対決だが、1差リードの玉鷲有利は揺るがない。「最初の(本割の)相撲でしょう。玉鷲が押し込むか…。負けてももう一番ある」と理事長。初土俵以来、無休の鉄人が真っ向パワー勝負で高安を撃つ。