「衰えるという概念がないんじゃないか」師匠・片男波親方が語る玉鷲活躍の秘密
「大相撲秋場所・千秋楽」(25日、両国国技館)
平幕玉鷲が13勝2敗で、2019年初場所以来2回目の優勝。37歳10カ月での優勝は、年6場所制が定着した1958年以降最年長。21場所ぶりの優勝は5位タイのブランク記録となった。初土俵以来無休の37歳が、健在ぶりをあらためて印象づけた。
37歳とは思えない元気いっぱいの姿。玉鷲の師匠、片男波親方(元関脇玉春日)は「全くの素人で入ってきたことが逆にいいと思う」とその秘密を挙げる。
玉鷲はホテルマンを目指していた大学生時代に来日した際、鶴竜(現鶴竜親方)と両国の街中で偶然出会い、入門を突然決意。スポーツ経験もなかった。それ故に「概念にとらわれない。限界、40近くになって体力は衰えるんだという概念がないんじゃないか」と、親方は分析する。
入門時は師匠も半信半疑。「全く経験もないのに、よくやろうと思ったな、というのが正直なところ」と振り返った。そんな弟子が、幕内上位で長年土俵を湧かせ続ける活躍。「それが不思議。ここまで上位陣に勝てるのがよくわからない」と、師匠の想像をはるかに超えている。
40歳現役も見えてきた。親方は「甘くはないと思う」としつつ「楽天的というか、物事を深く考えない。もうちょっと考えてほしいんですけど。それがいい方向に出ている」と笑った。