パリ五輪第1号のサーフィン男子 五十嵐カノアを井本コーチが称賛「突出していた」
サーフィンのワールドゲームズ(WG=世界選手権に相当、米カリフォルニア州ハンティントンビーチ)の男子団体で優勝し、24年パリ五輪出場枠を獲得した日本代表のスタッフが27日、成田空港に帰国した。宗像富次郎監督と井本公文コーチが手応えなどを語った。日本代表選手は海外転戦などのため、今回は帰国していない。
男子エースで東京五輪銀メダルの五十嵐カノア(木下グループ)は1回戦から8戦全て1位で〝完全優勝〟。村上舜は11位、上山キアヌ久里朱は25位で、男子団体の優勝に貢献した。
井本コーチは五十嵐について、「色んなトップ選手の中で突出していた。それがスコアにも反映されてずっと1位だった」と称賛。宗像監督も「積極性があって、前半に波をかなり捉えている。それが良い結果につながった」と戦略のうまさを指摘した。会場のハンティントンビーチは五十嵐が生まれ育った場所で、波を知り尽くした海。大会中は日本代表選手に細かくアドバイスを送るなど、サポートにも全力だったという。
一方、女子は東京五輪銅メダルの都筑有夢路が日本勢トップの17位と奮闘したが、女子団体9位で最速での五輪切符獲得を逃した。井本コーチは課題に「男女の結果の差」を挙げ、「女子の強化もしていかないといけない」と力を込めた。
パリ五輪には最大で男女各3人が出場できる。今大会で得た枠の選考方法は来季のパリ五輪選考結果を鑑みて決定する方針。今回の五輪枠獲得は、日本勢第1号だったこともあり、宗像監督は「特にパリの大会は日本代表として出場権を初めてとった。日本競技の先駆けになると思う」と手応えを示した。