今季休養の桐生祥秀が再始動発表 大学2年時から難病指定の潰瘍性大腸炎を公表 9秒台重圧で

 陸上男子100メートル元日本記録保持者で、6月の日本選手権後に今季休養を表明していた桐生祥秀(26)=日本生命=が29日、自身のSNSで再始動を表明した。YouTubeチャンネルに動画を投稿し、大学2年生の時に、国が難病指定している潰瘍性大腸炎を患い、引退も覚悟したことを告白した。

 久々にSNSを更新した桐生は「3、4カ月ちょっと休ませてもらって、また9月末から表に立って活動していきたいと思います」と、明かした。

 これまで陸上人生で長期休養はとっておらず「今まで陸上のことを考えない2、3カ月はなかったので、僕にとってはすごい長かったです。小学生以来かな。世界陸上も全然みてなかった。SNSもあんまり開かなかった」と、振り返った。

 休養してきた経緯については「今まで10年やってきた中で、楽しいことばっかりじゃなかった。もう少し陸上を楽しんでやりたいなと思って。自分の中で葛藤があって、この状態で出ても陸上に対して申し訳ないなという思いがあった。病気もあった」と説明。13年に高校3年生で10秒01をマークして以降、17年9月に9秒98を記録するまで常に日本人初の9秒台の重圧と戦ってきたことを振り返り「大げさにいうと、高校3年生まではレース走るの楽しかったんですけど、10秒01を出してから、いい意味でも日本人誰が最初に9秒台か、しかみてなかった。誰が勝負して誰が勝つかにあんまりフォーカスされてなくて、誰が9秒台で最初に走るかっていうことで、ありがたいことにメディアの人もたくさんきてもらったんですけど。それが思ったより、僕の中ではきつかった。どんだけ10秒0台でゴールすればため息、10秒1台でゴールすればため息、もう9秒台出すまで、良かったねって拍手でゴールしたことが5年ぐらいなかった。どこいっても聞こえてくるのはため息で。最初はしゃーないなと思ってたんですけど、さすがに何十レース走ってずっとため息だと、“俺、違うのかな”ってなったりしていて」と、告白。「気持ちをごまかしながらやっていた」と、明かした。

 そして16年リオデジャネイロ五輪シーズンだった大学2年生の時に、国が難病指定している潰瘍性大腸炎を患ったことを公表。「腸が炎症を起こして、今のところ一生治らない、死ぬまで薬を飲み続けないといけない病気になった。俺の陸上人生1回終わるのかなと思った。ストレスが原因といわれて、陸上やるときにストレスない時なんか100%ないので。ストレスのない生活をしてくださいと言われて」と、振り返った。「トイレの度に血が出る。日本選手権とかが近づいてくると、お腹下して、トイレも増えるし、体重も増えることが無理。ご飯食っても全部出るし、水分もとってもとっても出ていくので」と、難病を抱えながらの苦難を明かした。大学4年の頃から症状が回復。現状がいい状態で安定しているという。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス