高梨沙羅、今季海外初戦でまさかのスーツ規定違反失格 北京の悪夢から再起も
ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(25)=クラレ=が2日、今季海外初戦となるGPクリゲンタール大会(ドイツ)に出場したが、スーツ規定違反で失格となった。
練習ラウンドでは118メートルを飛んだ高梨だったが、1本目でスーツ規定違反で失格となった。今大会では9月30日に行われた予選で、昨季W杯総合女王のマリタ・クラマー(オーストリア)が同じくスーツ規定違反で失格となっていた。
高梨は今年2月の北京五輪の団体戦でスーツ規定違反による失格。チームのメダルを逃した責任を背負い、シーズン終了後に進退を熟考した。6月にはSNS上で現役続行の意思を表明し、7月には「まだそこ(北京五輪)で終わっちゃいけない気がして、ジャンプを続ける選択をした。五輪の失敗は五輪じゃないと消化できない気がしている」と、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪挑戦を視野に入れる考えを示していた。
新たな思いとともに臨んだ新シーズンのスタートが、まさかの形に終わった。
◇高梨の北京五輪での失格混合団体を巡っては、高梨のほか、ドイツ、オーストリア、ノルウェーの計5人の女子選手がスーツ規定違反で失格となった。
高梨は1本目のジャンプ後の検査で違反と判定された。号泣するほど失意に沈みながらも、2本目に渾身のジャンプを飛び、チームの4位浮上に貢献した。スーツの太もも回りが規定より2センチ大きいとして失格となった高梨は、全日本スキー連盟のヒアリングに飛躍後の検査で通常はスパッツをはいたまま太ももを測定されるが、違反となった際にはスパッツを脱がされた、腕も通常は体から30センチほど離した位置まで広げて検査を受けるが、万歳するように求められたなど通常とは違う検査方法で行われことを主張。やり直しを求めたが、受け入れられなかったことなど、検査方法への疑問が噴出し、世界中で波紋を呼んだ。これにともない国際スキー連盟はスーツ検査にレーザー測定器の導入を決定した。