阿部一二三がライバル丸山撃破で4年ぶり世界一 パリ五輪代表へ“先行逃げ切り”態勢

 決勝で丸山城志郎(下)を下し優勝した阿部一二三(共同)
 優勝し喜ぶ阿部一二三。3度目の制覇を果たした(共同)
 男子66キロ級で優勝した阿部一二三(手前)と抱き合う、女子52キロ級で優勝した妹の阿部詩(共同)
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 「柔道・世界選手権」(7日、タシケント)

 男子66キロ級決勝が行われ、東京五輪金メダルの阿部一二三(25)=パーク24=が、世界王者の丸山城志郎(29)=ミキハウス=を小外掛けによる「技あり」で優勢勝ちし、18年大会以来4年ぶり3度目の世界一に輝いた。これで因縁のライバルに4連勝し、通算対戦成績も阿部の6勝4敗。全日本柔道連盟の規定により、阿部は12月のグランドスラム(GS)東京大会も優勝すれば、来年の世界選手権(ドーハ)の代表に決まる。大接戦を制した東京五輪代表争いを経て、24年パリ五輪代表争いでは先行逃げ切り態勢に突入した。

 決着をつけると、阿部は両腕を大きく広げて勝ち誇った。序盤は丸山の攻勢に押され、先に指導2となって後がなくなった。しかし、終始落ち着いていた阿部はチャンスを見逃さない。相手が内股を狙って前進してきた瞬間、小外掛けで迎撃して畳に転がし「技あり」を奪った。勝ち名乗りを受けた後は、五輪金メダリストの称号である背中の金ゼッケンを両手の親指で誇示。畳を降りると、先に優勝を決めて見守っていた妹の阿部詩と軽く抱き合って喜んだ。

 丸山とは東京五輪代表1枠を激しく争い、20年12月13日には史上初となる一騎打ちの五輪代表決定戦で激突。24分の激闘の末、阿部が代表権を勝ち取り、昨夏の五輪で金メダルを手にした。一方の丸山も腐ることなく鍛錬を続け、五輪出場は逃したものの21年6月の世界選手権で2連覇。パリ五輪を見据えて阿部をピタリと追走してきた。

 パリ五輪まで2年を切った中、来年の世界選手権(ドーハ)が5月に行われるため、今大会の結果が五輪代表争いに与える影響は大きい。阿部は「こんだけ(何度も)戦ってきて、ここ(が勝負)じゃないかと。ここを勝つか負けるかは僕にとってはデカい。節目かなと僕は思ってます。(丸山と)当たったらしっかり勝つだけ」と自ら位置づけていた天王山を制し、有言実行でライバルに差をつけた。

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