宇野昌磨、今季初戦1位も4回転半持つ17歳を称賛「マリニン選手の方がすばらしい演技だった」
「フィギュアスケート・ジャパン・オープン」(8日、さいたまスーパーアリーナ)
日本、欧州、北米によるフリーのみの男女混合チーム対抗戦が行われ、男子は18年平昌五輪銀メダル、22年北京五輪銅メダルの宇野昌磨(24)=トヨタ自動車=が193・80点で1位となり、日本の優勝に貢献した。今大会の記録は国際スケート連盟(ISU)非公認記録となる。
宇野は冒頭の4回転ループを決めると、続く4回転サルコー、4回転トーループを着氷。後半の4回転フリップが2回転になるミスもあったが、4回転トーループ-2回転トーループの連続ジャンプは着氷し、「G線上のアリア」を情感たっぷりに演じた。
今季初戦を終え、「自分の今の位置を見付ける位置付けだった。妥当だったかなと思います」とまずまずの表情。「去年『ボレロ』で培われた体力やジャンプ構成が生きた構成だった。去年より力強く滑ることができた」と手応えもつかんだ。
今大会には9月にISU公認大会で史上初めて4回転半ジャンプ(クワッドアクセル)を成功させた17歳のイリア・マリニン(米国)も出場。4回転半こそ回転不足となったが、4種類5本の4回転に挑んだ。
これを受け、宇野は「今大会も本当に素晴らしい演技。僕はマリニン選手の方が僕より素晴らしい演技だったと思ってます」と称賛。17歳の強敵に「この1年、2年のうちに圧倒的な存在になると思う。それについていけるように自分と向き合いたい」と刺激も受けた。
宇野は「皆さんは華のある、新しいジャンプに目が行きがちだと思うんですけど、マリニン選手のすごい所はそれ以外がすごいクオリティー。全てのジャンプが他の選手よりも楽に安定して素晴らしいジャンプ。僕が刺激を受けたのは4回転アクセルではなくそちら」と強調。新シーズンへ、「マリニン選手に置いていかれないようにしようというメンタルがプラスに向くんじゃないかな」と、楽しげな表情だった。