柔道・堀川恵が初世界一「最年少V」脚光から10年、結婚経て“元ホープ”26歳が開花

 柔道の世界選手権女子63キロ級で初出場優勝を果たし、喜ぶ堀川恵(共同)
 女子63キロ級決勝、カナダのカトリーヌ・ボーシュマンピナール(下)を攻める堀川恵(共同)
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 「柔道・世界選手権」(9日、タシケント)

 女子63キロ級が行われ、初出場した堀川恵(26)=パーク24=が、5試合を勝ち抜いて金メダルを獲得した。決勝はカナダ選手に内股で一本勝ち。10年前、当時最年少の17歳でグランドスラム大会を制したこともある“元ホープ”。低迷期もあって初の世界代表まで10年を懸けた苦労人は、結婚も経て輝きを取り戻し、ようやく悲願の世界一となった。

 試合時間残り1秒。決勝の相手を得意の内股で投げ切った堀川は、両手をたたいて喜びをかみしめた。粘り強く戦い抜き、たどりついた頂点。「成長した姿を世界に見せたい」と必勝を誓っていた大舞台を制し、パリ五輪に向けて大きくアピールした。

 長野県出身で5歳から柔道を始めた。旧姓「津金恵」時代、切れ味鋭い内股を武器に、松商高2年時の12年グランドスラム東京大会では当時史上最年少の17歳1カ月で優勝を果たすなど将来を嘱望された。ただ、その後は得意技を相手からマークされるなど、勝ち切れない時期が続いた。17年には国内選考大会を制したものの、同年世界選手権では同階級の派遣はなしという不遇も味わった。

 プライベートでは、20年7月に警視庁の柔道選手と結婚。「夫も選手なのでアドバイスをくれる」と心強い知己を得た。

 「堀川恵」となって心機一転、試合実績を着実に積み上げ、昨年は高校2年時以来、9年ぶりにグランドスラム大会も制覇。試行錯誤を経て世界のトップ戦線にカムバックし、「振り返ってみたら、もうそんなに(9年もの時間が)たっていたんだと。逆に高校2年生の時が自分の実力以上の力で出てしまったものなのかなとも思った。やっと今、自分の実力と気持ちが追い付いてきたタイミングなんじゃないかな」と振り返る。

 谷亮子さんというレジェンドはいるものの、女子柔道界で結婚後に日本代表入りするケースはまだ少数。日本女子の増地克之監督も「結婚しても代表になれるパイオニアになってほしい」と期待を込める苦労人が、パリ五輪代表レースで堂々とトップに躍り出た。

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