F1日本GP 角田裕毅に20万人が沸いた 初の母国凱旋で岸田首相にプレゼントも
「F1日本GP・決勝」(9日、鈴鹿サーキット)
予選13番手から出たアルファタウリの角田裕毅(22)は13位で終え、初の母国凱旋で入賞を逃した。スタート直後の9位浮上から順位を落としたが、終盤もオーバーテイクの猛追。10年ぶり3日間の観衆が計20万人に達し、大声援を送った母国ファンを沸かせた。約2時間の降雨中断でレースは53周から28周に短縮。ポールポジションから今季12勝目、通算32勝目を挙げたマックス・フェルスタッペン(25)=オランダ、レッドブル=が2年連続2度目の年間総合王者を決めた。
夢にまで見た母国GPに、何と総理大臣まで来た。角田は決勝前のセレモニーで岸田文雄首相と握手し激励を受け、レーシングスーツをプレゼント。レース前に初めて日本の国歌を聞き、「日本人として光栄なこと。力強い気持ちでレースに入れた」と燃えたぎった。
激しい雨の中、スタートに成功し3台を抜いた。「前は全く見えなかった。勘で走った」とセンスを発揮し9位に浮上。だが2周で赤旗中断となった。
約2時間後に再開し、13周目には10位を走行。11位のラッセル(メルセデス)とのバトルで沸かせた。16位まで落ちた終盤、執念の猛追。シューマッハー、マグヌッセン(ともにハース)を次々と追い抜き、見せ場を作った。
13位で12戦ぶり入賞は届かず。「できる限りのことはした。オーバーテイクもできて良かった」と全力は尽くした。一方で「ポイントで終えたかったのが正直。(自己採点は10点満点中)8点くらい。毎コーナー、日本の方々の景色が見られて、その分、悔しさが増します。(再開後は)9位でスタートしたので」と唇をかんだ。
決勝の観衆は9万4000人、3日間計20万人とも小林可夢偉が3位に入った2012年以来の人気回復。22歳がF1ファンの希望の星となる。