佐藤圭汰 超速区間新 スーパー1年生2区で20秒短縮 駒大が青学撃破駅伝3冠にまず1冠
「出雲全日本大学選抜駅伝」(10日、出雲大社正面鳥居前~出雲ドーム前=6区間45・1キロ)
駒大が2時間8分32秒の大会新記録で、9年ぶり4度目の優勝を果たした。2区でスーパールーキーの佐藤圭汰(1年)が区間記録を20秒も縮める走りで首位を奪うと、3区で絶対エースの田沢廉(4年)も区間2位の好走。出場選手全員が区間2位以内と抜群の安定感で、「大学三大駅伝」初戦の頂点をつかんだ。52秒差の2位は国学院大、3位は中大。今年の箱根駅伝を制した青学大は4位だった。
超新星が底知れぬ力を見せた。2位で迎えた2区。駒大の佐藤は“大学三大駅伝デビュー戦”ながら、冷静に走っていた。1キロ過ぎで先頭の中大を抜くと、ぐんと前に出て差を広げた。区間記録を20秒上回る驚異的な走りにも「特にプレッシャーを感じなかった。ラストを上げきれなかったので80点」と言ってのける大物ぶりだった。
高校記録を3つ保持し、駒大入学前から注目を浴びた超大型新人。今夏の世界選手権代表で、絶対エースの田沢が在籍する強豪校には「自分も世界を目指す」と高い目標を掲げて飛び込んだ。
田沢の話を最も熱心に聞き、一緒の練習メニューをこなしたがるなど、普段から積極的な姿勢を崩さない。佐藤の活躍に大八木弘明監督(64)も「ガッツあった!泣けた!」と興奮気味。「メンタル的にも強くなったね。また練習だね。田沢とちょこちょこ(練習を)やらせる」と声をかけられると、佐藤も満面の笑みで応じた。
駒大は出場した6人全員が区間2位以内と安定感が突出。大八木監督も「層は厚くなった」と大きな手応えを示した。目指すのは11月の全日本大学駅伝、来年1月の箱根駅伝で優勝し、同大初の“大学駅伝3冠”を獲得すること。「すごく自信になった。ここで満足しないでレベルアップしたい」と佐藤。不敵に笑う18歳が、大学駅伝に新たな風を吹かせる。
◆佐藤圭汰(さとう・けいた)2004年1月22日、京都市出身。幼少期から運動が好きで、体力作りのために小学校3、4年生頃から陸上を本格的に始めた。名門・洛南高時代は1500メートルで3分37秒18、3000メートルで7分50秒81、5000メートルで13分31秒19の高校記録を出した。5000メートルの自己記録は13分22秒91。座右の銘は「上には上がいる」。184センチ。